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特集 在宅医療を成功させる
在宅医療のスキル
在宅での排泄のマネージメント
Management of Excretion in Home Care
長坂 晋
1
1クリニックながさか内科
pp.596-598
発行日 1995年7月15日
Published Date 1995/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901554
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■常習便秘症に尿閉を来した在宅寝たきり老人
患者 88歳,男性.
寝たきりの原因疾患:小脳梗塞(81歳時).
身体的状況:ベッド上の生活で起立不能.座位保持可能.食事は一部介助.排泄はオムツ.バーセル・インデックス(J1)は10点.痴呆の程度は中等度(DSM-III-Rで評価).
介護環境:主な介護者は妻(84歳).長男夫婦と孫3名と同居.時々,長男夫婦が介護を手伝う.ホームヘルパー,デイサービスを利用している.
経過:訪問診察,訪問看護,訪問リハビリテーションで在宅ケアを支援する.頑固な便秘症があり,4~5日ごとに下剤や涜腸で排便させていたが,10日たっても排便せず,尿閉を来し下腹部が膨満したため導尿を施行.尿混濁著しく,残尿が膿性であり,前立腺肥大傾向もあり,家族が再度尿閉を来すことを恐れたため,バルーンカテーテルを留置し,抗菌薬を投与した.その後大量の排便があり,尿もきれいになったのでバルーンカテーテルを抜去し,介護者を指導して間欠自己導尿へ移行し,その後自然排尿するようになった.
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