JIM Report
デンマークの在宅医療
中山 博文
1
1国立大阪病院総合内科
pp.664-665
発行日 1994年7月15日
Published Date 1994/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901244
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近年日本において医療経済的視点から,またquality of lifeという視点から在宅医療に対する関心が高まってきています.筆者が2年間留学していたデンマークは"in yourown home as long as possible (できるだけ長く自宅で)"というスローガンのもとに,かねてより在宅医療および在宅介護に力を注いできた在宅医療・介護先進国です1).例えばホームヘルパーの数をデンマークと日本とで比較してみると,デンマークには約3万2千人のホームヘルパーがいるのに対し2),日本では約4万6千人です(1992年1月現在)3).日本の人口はデンマークの約24倍ですから,単位人口当たりのホームヘルパーの数はデンマークが日本の約17倍ということになります.
今回,デンマークにおける在宅医療・介護,それに対する利用者の評価,加えて,それに関連しているデンマーク医療の特徴について簡単にご紹介いたします.在宅医療は在宅介護と不可分ですので,ここでは両者について述べます.また在宅医療・介護の利用者の大半が高齢者であることから高齢者を中心に説明いたします.
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