連載 訪問看護師としての醍醐味・1
デンマークの在宅ケアの現状から日本の未来を考える
蝦名 玲子
1
1ヘルスコミュニケーションズ
pp.345-350
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100666
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「訪問看護師の皆さん,“職”生活,充実していますか?」
この質問に,心から“YES!”と答えられる方は,何人いるのだろうか。3年前に介護保険が導入されたとき,「これからは在宅ケアの時代!」と希望に胸を膨らませ,前向きに挑戦しようという姿勢の看護師が多かった。しかし最近は,「訪問看護師の元気がない」という声をよく聞くようになった。きっと新制度発足・導入時にはあまり検討されなかった数々の問題が浮上・直面し,日々の対応に追われ,燃えつき症候群になる一歩手前といった超多忙スケジュールをこなされているのだろう。
しかし,今が未来をつくる。今回の短期連載では,より充実した在宅ケアの未来を築くためには,どのようなビジョンや姿勢,制度等が必要かといったことを,いくつかの角度から考えていこうと思う。 第1回目である今回は,介護保険導入時,在宅ケアの最高のモデルとして扱われたデンマークのシステムや現状を紹介しよう。デンマークで長年,看護サービスの質向上に努めてきた,スカンディナビアンホームケアコンサルト所長のレーネ・ホーレンナー氏(写真)のインタビューを基に,デンマークと日本のシステムや文化の違いを確認しながら,デンマークの在宅ケアの現状から,日本の未来について考えていきたい。
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