JIM Lecture
脳卒中の鑑別診断―急性発症の神経脱落症状や意識障害を示す重症患者の診察法
橋本 修治
1
1天理よろづ相談所病院神経内科
pp.670-673
発行日 1993年7月15日
Published Date 1993/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900911
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はじめに
脳卒中(apoplexy)とは,脳の急激な循環障害によって意識障害と運動麻痺を来す病態のことで,重症の脳血管発作(cerebrovascular accident; CVA=stroke)のことである.
脳血管発作では局所神経症状を示し,代謝性脳症では意識障害のみを示すと考えられがちである.しかし,低血糖発作や肝性昏睡では,Babinski反射が陽性に出たり,除脳硬直を来すこともある.ここでは主として,急性発症の意識障害や一見して重篤感のある患者が来院した場合を想定し,神経学的診察を行いながら検査し,鑑別診断を進めていく手順を記してみたい.
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