Dear Doctors―医師への手紙
「生活」の視点から診断,予後を伝えて欲しい
杉原 素子
1
1東京都心身障害者福祉センター
pp.1046
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900659
- 有料閲覧
- 文献概要
本誌は日夜医療の真っ只中で働く若い医師に向けての総合診療誌とのことですが,私は作業療法士ではありますが、福祉の真っ只中で働くものです.医療機関における医師は「チーム医療」の中心的存在としてコメディカルスタッフとの関係が語られることが多いと思われます。が,福祉領域にかかわる医師は「障害を持ちながら生活をする人たち」への健康管理上の役割を担いながら,関係する多くの職種と横並びで動くのではないかと考えます.つまり,医師は白衣を着て患者の前に立つ関係というよりも,そこでは白衣を着ずに横に並ぶか後ろに回るかという関係ということができるのかもしれません.
福祉領域で働くものとして気になることは医療機関から引き継ぐ患者の障害の診断と予後診断が多くはあいまいであるということです.もし本人に語ることができなければ家族に,それも難しいということならばせめて私たちにその人の診断および予後,そしてそれらに付随する留意点を「生活」という視点からできる限り確かに語ってくれるようお願いしたいと常日頃思っていました.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.