Japanese
English
特集 症状からみた汎用医薬品の副作用
肝機能異常および黄疸
Liver Dysfunction and Jaundice
柴田 実
1
Minoru Shibata
1
1健康保険総合川崎中央病院内科
pp.495-497
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900462
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・薬剤性肝障害は病因的に中毒性(→1)とアレルギー性(→2)がある.
・臨床的には①GOT, GPTの上昇を主体とする肝炎型(halothaneハローセン,isoniazidイスコチンなど),②ALP, LAP,γ-GTPなど胆道系酵素の上昇が著しい胆汁うっ滞型(chlorpromazine hydrochlorideウインタミン,ajimalineアジマリンなど),③前2者の特徴を兼ね備えた混合型の3型があり,頻度的には混合型が最も多く,肝炎型は少ない.
・通常は薬剤投与から1~4週程度で発症し,発熱,発疹などのアレルギー症状や末梢血の好酸球増多(→3)を認めることが多い.
・起因薬剤には抗生物質,向精神薬,抗癌剤,循環器用剤などの経口薬や注射薬が多いが,外用薬が原因となることもある(症例2).
・LST (lymphocyte stimulation testリンパ球刺激試験,→4)は起因薬剤を知るうえで重要な検査であるが,LSTが陰性であっても薬剤性肝障害を否定することはできない.
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