Japanese
English
特集 症状からみた汎用医薬品の副作用
呼吸困難および咳
Dyspnea and Cough
松井 征男
1
Yukio Matsui
1
1桜町病院内科
pp.498-499
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900464
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- Abstract 文献概要
・呼吸困難や,その軽度のものとしての息切れ,息苦しさは,薬剤それ自体の副作用としてではなく,薬を使用すること自体に対してや,薬そのものに対しての不安,さらには他の副作用に誘発された不安の一症状として訴えられることがあり,珍しいことではない.
・副作用として咳を起こす特異なものに降圧剤のアンギオテンシン変換酵素(angiotensin-converting enzyme;ACE)阻害薬がある.その種類によっては服用中の患者の10%以上でみられるとの報告もある.
・急性,慢性に,主に間質性の肺の変化を来して,咳,息切れ,呼吸困難を起こしてくる薬剤がある.抗癌剤のbleomycinや,慢性関節リウマチによく用いられる金剤がその代表である.
・気管支喘息を誘発または悪化させ,咳や呼吸困難を来す薬剤があり,代表的なものがβ遮断薬とアスピリンである.
・もとにある心不全を悪化させることにより(β遮断薬や,コルチコステロイド剤など),また貧血を来しその結果として(本号"貧血"の項,p481を参照)などで,息切れ,呼吸困難を起こしてくる薬剤がある.
・まれではあるが,薬剤によるアナフィラキシーやアナフィラキシー様反応のために,喉頭浮腫や下気道の狭窄を起こし,急激に咳,喘鳴,呼吸困難を来すことがある(本号"ショック"の項,p473を参照).
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