Japanese
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特集 腰痛を見分ける
心身医学からみた腰痛
Chronic Low Back Pain from the Viewpoint of Psychosomatic Medicine
山内 祐一
1
Yuichi Yamauchi
1
1東北大学教養部
pp.678-680
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900216
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ポイント
・慢性腰痛には多かれ少なかれ,感覚的要素と情緒的要素の二面性がある.したがって,見出された器質的所見が症状に直結するかどうかをよく見極める必要がある.
・痛覚と痛反応(行動)とは異なる.患者の表現するものは後者である.一般に,心理性格要因を背景に,表情,発語,歩容,運動量低下,受療のしかたおよび就業態度などとなってあらわれる.この観察力が"心因"を見抜く基礎になる.
・慢性腰痛に対してみだりに鎮痛剤を用いるべきではない.むしろ抗不安薬や抗うつ薬が有用の場合が多い.運動,作業などに重点を置く心身医学的リハビリテーションがとくに有用である.
・リハビリの成果は目的と楽しみを持たせ,何らかの形で記録に残していく.それが自己にフィードバックされてオペラント条件づけ(→1)の原理で強化される.行動は認知を変えるのである.
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