パソコンを診療に活用しよう・4
パソコンによる患者教育(その2)
吉本 正博
1
Masahiro Yoshimoto
1
1吉本医院
pp.416-417
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900129
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食事療法の評価とパソコン
慢性疾患患者に対する患者教育の中で,食事指導は,その根幹となるものの一つである.特に糖尿病,高脂血症など誤った食習慣が原因で引き起こされる慢性疾患(いわゆる習慣病)では,正しい食生活への是正が行われなければ,疾患自体のコントロールも期待できない.しかし,無床診療所では患者数の関係から,栄養士を常勤で雇うことは難しく,大病院と同じような食事指導はできないのが現状である.筆者の診療所の場合も,糖尿病の患者には,月に1度の医師会主催の糖尿病学級で,食品交換表の使い方などの指導を受けてもらうようにしている.その後,筆者自身と看護婦とで,食事療法が指示通りに実践できているかをチェックしている.しかし,食品成分表(科学技術庁資源調査会編「四訂日本食品標準成分表」準拠,以下「四訂」)で,栄養計算を行うのはとても時間がかかる.栄養計算をパソコンで行うためのソフトは,既に多数のものが市販されているが,中には患者指導のためのものでなく,入院患者の給食の栄養計算を目的としたもの,あるいは,患者指導用ではあるが,栄養士でないとデータ入力ができないような,ある程度の専門知識を必要とするソフトもあるので,選択する場合には注意が必要である.
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