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今月の特集 母子感染の検査診断
各論
—母子感染で問題となるウイルス感染症—レトロウイルス感染症
Tests and treatments for prevention of mother-to-child infection of HIV and HTLV-1
木内 英
1
1国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター
キーワード:
スクリーニング検査
,
確認検査
,
Western blotting法
,
ART
,
母乳遮断
Keyword:
スクリーニング検査
,
確認検査
,
Western blotting法
,
ART
,
母乳遮断
pp.1385-1392
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201424
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Point
●ヒト免疫不全ウイルス(HIV),ヒトT細胞白血病ウイルスtype 1(HTLV-1)はともに母子感染を起こし,母子感染率はHIVが約30%,HTLV-1が約18%と推定されている.母子感染経路のうちHIVは産道感染が比較的多く,HTLV-1はほとんどが母乳感染と考えられている.
●妊婦におけるHIV,HTLV-1の検査は,いずれもスクリーニング検査をまず行い,陽性ならHIVはWB検査とPCR検査両方を,HTLV-1はWB検査を確認検査として行う.
●HIV母子感染予防の中心は妊婦への抗レトロウイルス薬(ARV)の投与である.近年のARTの進歩・普及とともに世界的に母子感染は減少し,予防方法も変化している.
●HTLV-1母子感染予防は完全母乳遮断が唯一の方法であるが,母乳以外の感染経路の可能性や母乳遮断の短所など,今後議論・検討すべき点が残されている.
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