Japanese
English
特集 ‘息苦しさ’への対応
間質性肺炎
Interstitial pneumonia
倉島 篤行
1
Atsuyuki Kurashima
1
1国立療養所東京病院呼吸器科
pp.29-31
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900008
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ポイント
●病歴の聴取:最も重要.通常,乾性咳を初発症状とし,労作時呼吸困難が続発し,遂には安静時にも呼吸困難を自覚するようになる(→1).
●ばち状指の有無と胸部聴診:ばち状指は低酸素血症がかなり以前からあったことを示しており,それが肺疾患から来ている場合は,慢性の肺疾患であることを表している(→2).ほとんどの間質性肺炎では,主として胸部背面下部で吸気終末に特有のfine crackleを聴取する(→3).
●胸部X線所見で輪状影があるか(→4),初診時の胸部X線所見で,既にこの輪状影を認める場合は慢性の経過と考えるべきである.輪状影がなく,肺野全体にびまん性の陰影を見る場合,病変は急性であり,したがって今後も急速に進展するであろう事を示唆している(→5).
●ステロイドは効くか:現在のところ,間質性肺炎に明らかに有効な薬剤は,ステロイド以外見いだされていない.胸部X線所見や臨床所見でほとんど同じ病像であっても,疾患によってステロイドに対するレスポンスは極めて異なる(→6).
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