Editorial
外来でのがんの誤診・診断遅延
徳田 安春
1
1地域医療機能推進機構(JCHO)本部研修センター
pp.975
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200087
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外来フォロー中の患者から予期せぬ「進行がん」が後で見つかる時ほど,主治医としてつらい体験はない.下記は最近訴訟になった症例についてメディア(共同通信社ニュース:2014年8月19日)で報道された内容だ.
「病院が肺がんを見落としたため女性(66歳)が死亡したとして,約5,000万円の損害賠償を求める訴えを地裁に起こした.女性は2012年1月,背中などの痛みを訴えて病院を受診.筋肉が痛むリウマチ性多発筋痛症の疑いなどと診断された.約2カ月後に別の病院を受診すると重度の肺がんと分かり,同年7月に死亡した.遺族側は,女性は診断後も痛みが治まらないと何度も訴えたが,担当の整形外科医は,治癒した,と答えるだけで適切な検査を怠り,肺がんの発見が遅れたと主張している.」
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