特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!
【System 1 電光石火の感染症Snap Diagnosis】
手足は病気を語る
渡辺 貴之
1
1聖路加国際病院消化器センター消化器・一般外科
キーワード:
感染性心内膜炎
,
不明熱
,
peripheral sign
,
血液培養
Keyword:
感染性心内膜炎
,
不明熱
,
peripheral sign
,
血液培養
pp.704-705
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103299
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Case
peripheral signを伴う心内膜炎の一例
症例:心房細動に伴う慢性心不全の既往のある71歳男性.
現病歴:入院2日前から悪寒戦慄を伴う発熱が出現し持続するため救急外来を受診した.心尖部を最強点とする収縮期心雑音を認め,右眼瞼結膜と左第5趾に点状出血斑(図1)を認めた.経胸壁心エコーでは明らかな疣贅は同定できなかったが,感染性心内膜炎疑いとして入院した.入院第2病日には左第1趾にも点状出血斑が出現,また左不全麻痺が出現し,頭部CTでは右頭頂葉にくも膜下出血を認めた.入院第3病日に行った経食道心エコーでは僧帽弁に最大径14mmの疣贅を認め,また血液培養からは黄色ブドウ球菌が3セット中3セット培養され,感染性心内膜炎と診断した.入院6日目に僧帽弁置換術を施行し,計6週間に及ぶ抗菌薬投与のすえ,軽快退院した.
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