症候から学ぶ感染症診療と抗菌薬治療
《症候から迫る感染症診療》不明熱から多臓器にわたる症状・所見まで 感染性心内膜炎
冲中 敬二
1
1国立がん研究センター中央病院 総合内科・造血幹細胞移植科
キーワード:
心エコー図
,
鑑別診断
,
心電図
,
心内膜炎-感染性
,
不明熱
,
評価基準
,
早期診断
,
血液培養
Keyword:
Blood Culture
,
Diagnosis, Differential
,
Endocarditis, Bacterial
,
Electrocardiography
,
Fever of Unknown Origin
,
Echocardiography
,
Early Diagnosis
pp.537-541
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012337954
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●感染性心内膜炎は鑑別疾患として想起しなければ診断が困難なことが多く、不明熱の原因となりうる疾患である。●不明熱に対して「何となく」抗菌薬が開始されてしまうと、さらに診断を難しくする危険性がある。●まれな疾患ではあるが致死率が1~2割と高い疾患であり、見落としや診断の遅れは避けなければいけない。●感度・特異度に優れた特徴的な身体所見や検査所見に乏しく、適切な血液培養検査や心臓超音波検査が診断に占める重要性は非常に高い。●外科治療の必要性についての評価を早期に行い、必要があれば外科へコンサルトする。●治療開始後も新たな合併症の出現などに注意を払いつつ、予後不良因子のある症例ではより慎重な経過観察が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012