特集 原因不明で経過する発熱,不明熱患者のみかた
感染症
感染性心内膜炎
山下 駿
1
,
山下 秀一
1
1佐賀大学医学部附属病院総合診療部
キーワード:
感染性心内膜炎
,
不明熱
,
血液培養
,
抗菌薬
,
診断予測モデル
Keyword:
感染性心内膜炎
,
不明熱
,
血液培養
,
抗菌薬
,
診断予測モデル
pp.1045-1050
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000355
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Headline
1 感染性心内膜炎(IE)は,臨床症状や身体所見および検査所見が多彩かつ非特異的で,診断にも多数の高度医療機器を要することから,不明熱になり得る疾患である.
2 血液培養はIEの診断に重要であるが,事前に抗菌薬が投与されている場合は,原因菌を検出できない可能性がある.
3 IEのうち40%で心雑音を,30%で逆流性弁膜症を認めない可能性があり,それらの所見がないことだけでIEを否定することはできない.
4 合併症からIEの診断につながることも多いが,無症候性であることもあり,IEを疑う場合は全例で頭部CTや頭部MRIおよび胸腹部造影CT検査を行うことを検討する.
5 不適切な抗菌薬投与を防止し,IEの精査を行うべき症例に選択的に検査を行うためには,診断予測モデルの開発が必要である.
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