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ホスピタリストの学会
われわれは2014年3月24日~27日に米国ラスベガスのMandalay Bay Resort and Casinoで催されたSociety of Hospital Medicine(SHM)2014に参加した.SHMは,アメリカの病院総合医(ホスピタリスト)の学会で,会員数1万人以上に及ぶ最大規模の学会の一つである1)(図1).
今回,筆者らはSHM Vignettesで“LDH never lies.”というタイトルでポスター発表する機会を得た.症例は64歳,日本人男性で2カ月続く微熱,労作時息切れと1カ月続く視力障害を主訴に来院され,二系統の血球減少,LDH異常高値,ANA陽性が認められたケースである.当初,胃癌による血球貪食症候群が考えられたが,ランダム皮膚生検も行った結果,血管内リンパ腫と診断された.この症例の論点は,LDHが異常高値を示す場合には,悪性リンパ腫などの血液疾患が隠れていることがあり,精査のきっかけにすべきであるということである.“LDH never lies.”は,Dr. Tierneyがケースカンファレンスで示したclinical pearlの一つである(医学書院『JIM』公開収録「ティアニー先生の診断道場」2013年11月4日).
今回は,ポスター発表700演題の中で,60ケースがFinalistとしてノミネートされ,“LDH never lies.”もノミネートされた.SHMのstuffと5分間のdiscussionがあり,有意義な時間を過ごせた.また,ミシガン大学のDr. Jenniferがポスターの前まで来てくださり,非常に興味深い症例であるとのコメントをいただいた(図2).
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