特集 「それは古い!」と言われない 診療スタンダードUp to date
【各論】
アトピー性皮膚炎の治療Up to date
大矢 幸弘
1
1国立成育医療研究センター 生体防御内科部アレルギー科
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
Proactive
,
Reactive
,
ステロイド外用薬
,
保湿剤
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
Proactive
,
Reactive
,
ステロイド外用薬
,
保湿剤
pp.526-530
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103240
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Case
患児:11歳,女児.
生後数カ月の時に顔面と四肢に軽度の皮疹を経験したが,1歳時には自然に改善していた.幼稚園に通う頃から冬の初めに乾燥肌がひどくなり,春に湿疹病変の悪化を認めるようになったが,その都度近医を受診し,処方されたステロイド外用薬を塗布して乗り切っていた.しかし完治することはなく,ステロイドの塗布がアトピー性皮膚炎の治癒を邪魔しているという本を読み,脱ステロイドを試みたところ,悪化して日常生活に支障をきたすようになり,当科を受診した.顔にはⅣ群ステロイドを4日間(5gチューブ1本),その後タクロリムス軟膏に切り替え,体幹と四肢にはⅢ群ステロイドをそれぞれ5日間,10日間塗布し,その後隔日塗布に切り替え,Proactive療法にて寛解状態を維持しつつステロイド外用薬の使用頻度を減らしていき,半年後には週1回の塗布(朝は毎日保湿のみ,夜は週1日だけステロイドで6日は保湿のみ)で寛解維持が可能となった.
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