特集 「それは古い!」と言われない 診療スタンダードUp to date
【総論】
エビデンスに基づいた予防医療 Up to date
向原 圭
1
,
森 英毅
2
1国立病院機構長崎医療センター総合診療科
2沖縄県立南部医療センター・こども医療センター附属座間味診療所
キーワード:
エビデンスの重要性
,
エビデンス以外の決定要素
,
地域での実践
,
教育
Keyword:
エビデンスの重要性
,
エビデンス以外の決定要素
,
地域での実践
,
教育
pp.488-492
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103231
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予防医療におけるエビデンスの重要性
予防医療の対象となるのは基本的に無症状の人であることをまず忘れてはならない.何らかの症状をもって医療機関に助けを求めて受診する人に対して,私たちはアウトカムを改善するために最善の努力をすることを約束はしても,その改善を保証することはない.しかし,無症状であり基本的には困っていない人に対して,私たちが予防医療を積極的にすすめるということは,私たちはその人に,予防医療的介入を受ければ(それが生活習慣の変容であっても何らかの検査あるいは薬服用であっても)その人の健康上のアウトカムが改善する可能性が高いことを暗黙的に約束していることになる1).したがって,特定の予防医療を推奨するためには,少なくともその利益が害を上回る可能性が高いという文献上のエビデンスが存在することが最低条件となる.しかしながら,その一方で,文献上のエビデンスが存在しないことは,有効性が存在しないことと同じではないことは心に留めておくべきである2).
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