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特集 COPD―診断・治療概念のup-to-date
COPD治療のup-to-date
Current Therapy for COPD
橋本 修
1
,
小林 朋子
1
Shu Hashimoto
1
,
Tomoko Kobayashi
1
1日本大学医学部内科学呼吸器内科
1First Department of Internal Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.1231-1239
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100388
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はじめに
COPDの国際的な診断・管理・予防のガイドラインであるGOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)では,COPDは,「完全に可逆的ではない気流制限を特徴とする疾患である.気流制限は通常進行性で,有害な粒子やガスに対する肺の異常な炎症性反応と関連している」として定義されている.GOLDは,定義,COPDの及ぼす総合的負荷,危険因子,病因・病理・病態生理,COPDの管理の5項目に分けられている.管理は,慢性安定期と急性増悪期に大別される.
慢性安定期の治療はステージ0からIVに分類された重症度のステージ毎に,危険因子からの回避,薬物療法,理学療法,リハビリテーション,酸素療法,外科治療,などの具体的な治療指針が示されている1)(図1).安定期の薬物治療は,症状を予防およびコントロールし,増悪の頻度や程度を軽減し,健康状態を改善し,そして運動耐容能を改善することを目標とする.このように,COPDの治療は包括的であるが,このなかで本稿では,COPDの抗炎症療法と気管支拡張に焦点を絞り,最近の話題を解説する.
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