Editorial
浮腫の診療ガイドライン?
伊藤 澄信
1
1国立病院機構本部総合研究センター臨床研究統括部
pp.101
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103104
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「むくんでいるのです」と訴えて受診する患者さんは多い.「浮腫の原因は心腎肝」という単純な知識では対応しきれない.診断のプロフェッショナルでなければならない総合診療医にとって,「命の危険はありませんから大丈夫です」では不十分で「原因は○○で対処法は△△です」と説明できるとよいけれど,現実は悩ましい.伝染性単核症による眼瞼浮腫,RS3PEによる手の浮腫,POEMS症候群に伴う全身性浮腫,遺伝性血管浮腫さらには薬剤に伴う医原性浮腫など原因を探るだけでも簡単ではない.原因がわかれば治療は自明というのが西洋医学の基本であるが,むくみについてはそれほど単純ではない.在宅でみられる浮腫や用手的リンパドレナージ,漢方治療まで浮腫にかかわるすべての知識を本特集では網羅した.
病院機能評価で有名な公益財団法人日本医療評価機構の診療ガイドラインを作成している方々を集めたMinds(Medical Information Network Distribution Service)の連絡会に参加した.Mindsは質の高い診療ガイドラインを作成するためにワークショップやセミナーを定期開催し,わが国の診療ガイドライン217を掲載しているガイドラインクリアリングハウスである.クリアリングハウスという用語はなじみが薄いが手形交換所と情報センターという意味である.
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