特集 むくんでいるんです―浮腫とむくみ感の間に
【スペシャル・アーティクル】
むくみを治す漢方薬
矢野 博美
1
1(株)麻生飯塚病院東洋医学センター・漢方診療科
キーワード:
むくみ
,
水毒
,
利水剤
,
口渇(喉の渇き)
,
五苓散
Keyword:
むくみ
,
水毒
,
利水剤
,
口渇(喉の渇き)
,
五苓散
pp.160-162
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103118
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Case
3日で5kgの浮腫が改善した1例
患者:76歳,男性
家族歴:父;肺癌,母;高血圧症・脳出血,姉;小脳萎縮
現病歴:4年前に脊髄小脳変性症と診断され,漢方診療科にて加療中.1年前から両下肢浮腫が出現したが,治療抵抗性のためにX年1月に当科入院した.体重は90kgで,両側前脛骨部にpitting edemaを認める.検査では,心・腎機能異常なく,低蛋白血症もない.寒がりで,特に膝から下が冷える,夜間尿2回,腹部診察で小腹不仁(J1)がある.膝下の冷え,むくみ,夜間尿,小腹不仁から八味地黄丸が適応になると考え,下肢の浮腫が高度であったため牛車腎気丸料(J2,3)を開始したところ,3日後には84.8kgとなり,5日後には浮腫は消失し,重だるい倦怠感も消失し,9日後に退院した.
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