特集 見逃してはいけない!アルコール関連問題
【各論】
飲みすぎと関連する症候・疾患
丸山 勝也
1
1独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター
キーワード:
アルコール関連問題
,
アルコール性臓器障害
,
アルコール依存症の診断
,
早期発見・早期介入
Keyword:
アルコール関連問題
,
アルコール性臓器障害
,
アルコール依存症の診断
,
早期発見・早期介入
pp.960-962
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103032
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はじめに
わが国のアルコール消費量は昭和20年代より,経済成長,国民所得の増加,生活様式の欧米化などにより毎年急激な増加を示してきた.平成4(1992)年頃から全体として微増ないし横這いの傾向を示し,最近では漸減しつつある.世界保健機関(WHO)による2011年のデータでは,わが国の15歳以上の成人一人当たりの純アルコール消費量は年間8.03lとなっているが,この消費レベルを諸外国と比較すると,多くの欧米諸国のレベルより低いが,アジアのなかでは韓国(14.8l)に次いで多く,タイ(7.08l),中国(5.91l)やインド(0.75l)に比べるとはるかに多くなっている1).
このような状況のなかでは,飲みすぎによる症候・疾患(アルコール関連疾患)を主体とするアルコール関連問題が多数生じていることが容易に推測されるが,一般市民はもちろんのこと,アルコール関連問題に接する医師を含む医療関係者が,その認識に欠けている場合が多く,看過されているのが現状である.
そこで本稿では,一般臨床医が知っておくべきアルコール関連疾患(アルコール性臓器障害およびアルコール性精神障害)を含むアルコール関連問題およびその対策について言及する.
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