Editorial
シルバー仕様を標準に!
木村 琢磨
1
1北里大学医学部総合診療医学
pp.813
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102982
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今は優先席という呼び名に変わったが,かつて電車やバスには“シルバーシート”という「高齢者に譲るべき席」があった.名前はどちらにせよ,このような席があると,その席に座る資格がないことを自覚して座ることを躊躇したり,もし座っていても,高齢者などへ席を譲ることを促す効果があると考えられる.高齢者への特別な配慮といえるが,今後も有効に機能するものであろうか.
言うまでもなく,今後,わが国では高齢者の増加に拍車がかかる.そして,電車やバスに乗る高齢者も増え,「これは“高齢者専用車両”か!?」と見間違う日が来るのも近いのではなかろうか.その際,優先席が足りなくなることは自明である.また最近では,「前期高齢者が後期高齢者へ席を譲る光景」をみることも少なくない.これを傍目に,“ふんぞり返っている”若者たちの意識を高めるためにも,これからは 「全席を優先席にして,一部の席のみを誰もが着席が可能な“非優先席”とするしか方法はない」とすら思うのである.
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