シネマ解題 映画は楽しい考える糧[74]
「チェ 28歳の革命/39歳別れの手紙」
浅井 篤
1
1熊本大学大学院生命科学研究部生命倫理学分野
pp.715
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102947
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チェ・ゲバラの生涯から学ぶ
エルネスト・チェ・ゲバラの革命家としての生涯を二部構成で描いた作品.チェはキューバ革命を成功に導き,フェデル・カストロの右腕として一旦は政府の要職に就きますが,南米大陸全体の解放を目指してボリビアに侵入・潜伏し,ゲリラ部隊の編成を試みます.しかし他の団体からの支持やキューバからの支援物資が思うように得られず勢力は衰退し,最後は仲間と共に政府軍に射殺され,39歳の生涯を閉じます.
パート1の「28歳の革命」では,キューバで勝利を勝ち取るまでの日々が激しい戦闘を交えて描かれ,後にチェが国連で行う演説がリズミカルに挿入され,躍動感溢れる作品に仕上がっていました.他方「39歳別れの手紙」は,ボリビアでの最後の苦難の1年が淡々とむしろ静かに描かれ,革命家としてのチェの人生観や信念,死に様に焦点が当たっている印象を持ちました.ぜひ2本続けてご鑑賞ください.2本でひとつの作品です.4時間の価値は間違いなくありますから,時間を捻出してください.
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