特集 高齢者診療アップグレード―コツとピットフォール
【ジェネラリストが知っておきたい高齢者診療のピットフォール】
認知症と間違えやすい肝外シャントによる代謝性脳症
大平 雅之
1
,
大平 理沙
2
1水戸赤十字病院神経内科
2慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科
キーワード:
肝外シャント
,
代謝性脳症
,
認知症
,
鑑別診断
Keyword:
肝外シャント
,
代謝性脳症
,
認知症
,
鑑別診断
pp.905-908
発行日 2012年12月15日
Published Date 2012/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102684
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代謝性脳症は,意識障害や精神症状をきたす疾患の鑑別として,日常神経内科の臨床において,重要である.代謝性脳症として重要な位置を占める肝性脳症の原因としては,①肝硬変などによる広範な肝細胞脱落に基づく肝機能不全,②シャント血管による門脈-大循環短絡症,③尿素回路の先天的代謝障害の3種類の病態が考えられる.このうち,肝外シャント血管による代謝性脳症は,見落とされがちな疾患の一つであり,慢性で反複性の意識障害や認知症状を呈する患者では念頭におく必要がある.
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