特集 高齢者診療アップグレード―コツとピットフォール
【ジェネラリストが知っておきたい高齢者診療のピットフォール】
高齢者に多いフラツキ
室伏 利久
1
1帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科
キーワード:
前庭迷路
,
深部感覚
,
加齢性平衡障害
,
平衡訓練
,
筋力トレーニング
Keyword:
前庭迷路
,
深部感覚
,
加齢性平衡障害
,
平衡訓練
,
筋力トレーニング
pp.909-911
発行日 2012年12月15日
Published Date 2012/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102685
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われわれの身体の平衡状態は,前庭迷路由来の平衡覚,下肢などの深部感覚,および視覚からの情報を用い,中枢神経系で統合し,眼球運動や四肢・体幹の運動を制御することによって保たれている1).したがって,このような身体の平衡状態の維持に関与する系のどこかに機能低下が生じると,身体の平衡の維持が困難になってくる.機能低下は,末梢の感覚受容器,中枢神経系の神経回路,および出力情報が送られる運動器のいずれの部位にも生じる可能性がある.こうした機能低下は,さまざまな疾患によって生じうるが,また,加齢に伴う変化として生じてくる場合もある.したがって,高齢者のめまい・平衡障害を扱うにあたっては,総合的な視野に立っての診療が求められる.すなわち,プライマリ・ケアにあたるジェネラリストの関与の大きい領域である.以下に,高齢者のめまい・平衡障害の特徴についてふれたうえで,どのような対応が求められるのかについてみていきたい.
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