特集 「…血が出たんです」―肛門・会陰部出血へのアプローチ―
【各論】
薬剤性腸炎を疑ったら
平島 修
1
,
藤本 卓司
1
1市立堺病院総合内科
キーワード:
Clostridium difficile infection(CDI)
,
抗菌薬関連出血性腸炎
,
NSAIDs関連腸炎
,
microscopic colitis
Keyword:
Clostridium difficile infection(CDI)
,
抗菌薬関連出血性腸炎
,
NSAIDs関連腸炎
,
microscopic colitis
pp.731-734
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102620
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どのような疾患も一度は薬剤性を疑ってみるべきである.疑って初めて診断につながる.薬剤性腸炎の原因は多岐にわたるが,その診断は容易ではない.薬剤を中止し,症状の改善を認めて初めて診断に至ることが多い.薬剤性腸炎を起こす頻度の高い薬剤とその特徴を理解しておくことは重要である.
Cappellらは薬剤の腸管障害機序を,①腸管虚血,②偽腸閉塞,③感染・壊死,④炎症・細胞毒・アレルギーに分類した1)(表1).原因薬剤により腹痛・下痢・血便・発熱いずれの症状も起こしうるため,臨床症状が類似する感染性大腸炎,虚血性腸炎などと鑑別が必要である.
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