特集 便秘・下痢―医師必見のUp-to-Date 2020
便通異常をきたす病態
高齢者の便通異常
高本 俊介
1
1防衛医科大学校病院光学医療診療部
キーワード:
二次性便秘
,
浸透圧性下剤
,
ポリファーマシー
,
骨盤臓器脱(POP)
,
microscopic colitis
Keyword:
二次性便秘
,
浸透圧性下剤
,
ポリファーマシー
,
骨盤臓器脱(POP)
,
microscopic colitis
pp.43-46
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_43
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Summary
▪高齢者の慢性便秘は,加齢による運動量の減少,食事量・水分摂取量の減少などが原因となっていることが多い.薬物療法のみではなく,食物繊維の摂取など食事内容の改善や,排便のサポートが重要である.
▪抗コリン薬や向精神薬,循環器作用薬など,便秘を誘発する薬剤を複数内服している患者では,ポリファーマシーの解消を試みる.
▪便秘の薬物療法では,刺激性下剤は極力用いず,マグネシウム製剤などの浸透圧性下剤やlubiprostoneなどの新規薬剤,大建中湯などの漢方薬を用いる.
▪65歳以上では男女とも下痢の有訴率が上昇する.感染性腸炎以外に薬剤性下痢,microscopic colitisなどに注意が必要である.
▪便失禁に悩んでいる高齢者も多く,薬剤の調節など改善可能な因子に対処する必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2020