みるトレ
Case 13
忽那 賢志
1
,
長野 健彦
2
1国立国際医療研究センター国際感染症センター
2宮崎善仁会病院救急総合診療部
pp.685-687
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102603
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Case 13
患者:33歳,女性.
主訴:嘔吐,腹痛,下痢,発疹,発熱.
病歴:アメリカ在住の日本人女性.1週間前から日本に帰省中であった.早朝5時から突然の嘔吐・腹痛・下痢が出現したため救急車を要請し当院を受診した.急性胃腸炎として,ブチルスコポラミン,ファモチジン,メトクロプラミドを静注され,症状が改善したため帰宅した.帰宅後,39℃台の発熱が出現し,軽度の瘙痒感を伴う発疹が頸部から全身へと進行性に出現してきたため,18時に当院を再診した.
既往歴:入院1年前に右下腿外側に刺青を入れたが,中心がケロイド化したため皮膚科通院中.
生活歴:ハイキングなどの屋外活動なし.
身体所見:血圧76/47mmHg,脈拍数113回/分,呼吸数26回/分,SpO2 98%(室内気),体温39.3℃.意識清明.眼球結膜充血あり.咽頭発赤なし.頸部リンパ節腫脹なし.[心音]呼吸音に異常なし.[腹部]心窩部に軽度の圧痛あり,腸蠕動音は亢進.[四肢]右足関節外側に十字架の刺青があり,中心部にケロイド形成を認める.痂皮は認めない.[顔面・頭皮・頸部・体幹・四肢]びまん性紅斑を認める.腹部の発疹の写真を図1に示す.
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