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『研修医・看護師のための心臓カテーテル最新基礎知識 第3版』―中川義久 著
松村 真司
1
1松村医院
pp.363
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102491
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私たち一般医・家庭医は単に幅広く診療を行うのみでは不十分である.専門知識を常にアップデートすることは言うまでもないが,頼りになる専門家とどう連携を取るかもまた重要なことである.循環器疾患,とくに狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患を含む心臓疾患の場合,一歩間違えれば一転不幸な転機をとることもあり,密な連携がきわめて重要である.一方,日々進化し続ける心臓カテーテル検査のような技術について常にアップデートすることは難しい.とはいえ,診療現場ではしばしば質問を受けることがある.治療の実際は,何が標準治療なのか,そして治療法の選択の是非は….はたしてこのような時に,どこまで正確な知識に基づいて説明し,患者を支援できるか.その能力も一般医・家庭医である私たちには求められる.
本書「研修医・看護師のための心臓カテーテル 最新基礎知識」は,研修医・看護師,すなわち非専門家を対象とした,心臓カテーテルの基礎知識の概説書である.本書は,心臓カテーテル治療というよりは,心臓の構造・機能,病態生理から始まり心臓カテーテル検査の最新トピックスにいたるまで,虚血性心疾患を主体とした診療全体を俯瞰した書である.第3版ではとくに,薬剤溶出性ステントに関する新たなエビデンスと豊富な臨床経験を踏まえた解説を主体に改訂されたとのことである.研修医・看護師のための,と銘打ってはいるが,もちろん私のような一般医・家庭医にとって,そして心臓カテーテル治療を受ける患者や患者家族にとっても非常に有用な解説書である.
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