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病歴
患者:86歳,女性.主訴:意識障害後の性格変化.
現病歴:2年前より近医で臨床的に骨髄異形成症候群(以下MDS)と診断され,1.5~2カ月に1回のMAP輸血(4単位)を繰り返されていた.入院1.5カ月前に4単位のMAP輸血を受けた.1週間前より呼吸苦,倦怠感を自覚したため,近医にて在宅酸素療法を導入された.その後も徐々にADL低下し,自室より動くことが困難となった.入院当日に意識レベルが悪くなり,当院に搬送された.
到着時GCS3,血圧104/48mmHg,脈拍80回/分 整,呼吸数30回/分,SpO2 76%(室内気),体温37.7度と著明な低酸素を認めた.Hb 3.2と高度な貧血と胸部X線にて両側の肺水腫(+),心エコーで高拍出性心不全の所見あり,貧血に伴う心不全と判断し,NPPVで呼吸管理を開始し,利尿薬,MAP6単位の輸血を開始した.
第3病日には肺うっ血所見,酸素化は改善.それに伴い意識も清明となったが,第5病日頃より意欲の低下,無表情が出現し,発語量の減少,声量の低下を認めた.第8病日より両手の静止時振戦が出現した.
嗜好歴:喫煙歴,飲酒歴なし.生活歴:入院前のADLは自立.意欲もあり,歩行もゆっくりだが問題なく可能.既往歴:骨髄異形成症候群,甲状腺機能低下症,高血圧症.
内服歴:アーチストⓇ(1.25mg)2錠,オルメテックⓇ(20mg)2錠,コニールⓇ(4mg)2錠,プロマックⓇ2包,クラリスⓇ2錠,バイアスピリンⓇ(100mg)1錠,ルプラックⓇ1錠,アルファロールⓇ(1g)1錠,パリエットⓇ1錠,グラケーⓇ,チラーヂンⓇ(50g)1錠,ムコダインⓇ3錠,ホクナリンテープⓇ(2mg)1枚,アドエアⓇ.
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