特集 Systems-based Practice
【総論】
一人ではできない現代医療―「システム思考」のできない医師はもう要らない
小泉 俊三
1
1佐賀大学医学部附属病院総合診療部
キーワード:
システム(system)
,
システム思考
,
医療の質改善
,
良医
Keyword:
システム(system)
,
システム思考
,
医療の質改善
,
良医
pp.180-183
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102120
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今日,業種を問わず,組織運営(マネジメント)を論じるに当たっての最重要キーワードは,“システム(system)”である.とくに,慌ただしいなかで多職種の業務が複雑に錯綜し,安全で質の高い医療を提供するために各職種の一人ひとりが緊張を強いられる病院では,良好な職種間コミュニケーションとともに,“システム思考”に基づく「医療安全管理」,「医療の質向上」,「病院組織経営」の重要性が指摘されて久しい.また,医療圏としての地域コミュニティ,さらには国全体の医療提供の在り方についても,「システム論」を援用したさまざまの保健・医療・介護・福祉の連携ネットワークづくりが提唱されている.
ところで,これほどまでに各界でその重要性が強調されている“システム思考”が,病院組織の一員である医療職,とくに医師の間に根付いていないことは,一見,奇異に映る.
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