頭痛・めまいの診療 確実な診断・治療をするために今必要なこと
三大めまい疾患 メニエール病(症候群)、前庭神経炎、良性発作性頭位めまい症
加我 君孝
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1国立病院機構東京医療センター 臨床研究(感覚器)センター
キーワード:
Isosorbide
,
Meniere病
,
Metoclopramide
,
悪心
,
温度眼振検査
,
めまい
,
耳石膜
,
難聴-感音性
,
耳鳴
,
前庭ニューロン炎
,
平衡障害
,
浮遊耳石置換法
Keyword:
Caloric Tests
,
Hearing Loss, Sensorineural
,
Meniere Disease
,
Isosorbide
,
Metoclopramide
,
Otolithic Membrane
,
Nausea
,
Vertigo
,
Tinnitus
,
Vestibular Neuronitis
pp.839-844
発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009197976
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めまいはプライマリ・ケアの代表的な訴えの一つである。その原因の多くを占めるのが内耳性であるが、内耳性めまいの三大疾患はメニエール病(メニエール症候群)、前庭神経炎、良性発作性頭位めまい症である。症状は類似しているが、病態生理はそれぞれ異なる。内耳の構造は聴覚の蝸牛と蝸牛神経、回転感覚の三半規管、水平・垂直加速度感覚の耳石器と前庭神経および内リンパ嚢からなる。メニエール病は蝸牛と半規管の内リンパ液の内リンパ嚢における吸収障害で、前庭神経炎は前庭神経のウイルス性の炎症、良性発作性頭位めまい症は、浮遊する耳石器から剥脱した浮遊する耳石の後半規管の前庭感覚細胞への刺激と推察されている。内耳は小さいが鋭敏な感覚器装置である。めまいの訴えにはこのような病態が背景にある。
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