特集 めまいがするんです
【回転性めまい(vertigo)】
BPPVの治療と予防
千葉 大
1
1八戸市立市民病院救急救命センター
キーワード:
後方半規管
,
CRP(canalith repositioning procedure)
,
Epley法
Keyword:
後方半規管
,
CRP(canalith repositioning procedure)
,
Epley法
pp.926-930
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102049
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良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo:BPPV,良性頭位変換性めまい)と診断すれば,その場で治療を検討する.本疾患を治療せず放置すると,長い場合で数カ月も症状が続くとの報告もあり,積極的な治療が望ましい.なおBPPVの診断に関しては他稿(舩越・他論文)を参照のこと.
まず,BPPVの治療について説明するにあたり,半規管の解剖について若干の基礎知識が必要となる.内耳にあって平衡感覚を検知する三半規管は,その名の通り左右それぞれ3つの半規管からなっている.それぞれ半弧状の管腔臓器で,前方,後方,水平(または外側)と命名されている.これらの半規管内へ耳石が迷入してBPPVが起こるとされているが,解剖学的には後方半規管で最も頻度が高く,前方半規管や水平半規管では比較的まれといわれている.起因半規管が後方か,前方/水平かで,症状や治療の有効性が異なっている.
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