シネマ解題 映画は楽しい考える糧[37]
「カポーティ」
浅井 篤
1
1熊本大学大学院生命科学研究部生命倫理学分野
pp.545
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101964
- 有料閲覧
- 文献概要
作家の心のなかに生じた二つの感情
1959年米国カンザス西部のホルカムで,一家四人が二人組の強盗に惨殺される事件が発生.被害者は全員ロープで縛られ頭部を撃ち抜かれていました.「ティファニーで朝食を」などで人気作家となっていたトルーマン・カポーティは事件に強い興味を持ち,雑誌「ニューヨーカー」からの取材という形でその小さな田舎町を訪れます.カポーティはホルカムの人びとを取材すると同時に,その後逮捕された殺人犯の一人ペリー・スミスに接近することに成功します.その後5年にわたる死刑囚スミスらへの連続インタビューとほかの人びとに対する取材を通して,カポーティは自らの代表作となる『冷血』を書き上げるのでした.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.