特集 看護学を知りたい!―医師のための看護学入門
【医師が知っておきたい看護研究の発展と成果】
高齢者の生活リズム調整援助に関する研究
飯田 貴映子
1
,
酒井 郁子
1
1千葉大学大学院看護学研究科看護システム管理学
pp.519
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101958
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生活リズムとは,睡眠・覚醒リズムに加え,食事,排泄,社会活動,趣味や娯楽活動などの生活の諸要素が一定の周期で短期的・長期的に繰り返す状態を示す1).高齢者は加齢に伴う睡眠の質や量の変化や健康問題,入院や施設入所による環境の変化などの要因により生活リズムに障害が起こりやすく,せん妄や昼夜逆転,日中の活動低下,認知症周辺症状の悪化など多様な症状を呈し,生活の質へと大きな影響を及ぼす.
症状が出現すると睡眠導入剤などの薬剤介入が選択される傾向にあるが,これらの薬剤はリズム障害の悪化を引き起こす可能性が高く,使用には慎重を期す必要がある2).そこで,薬剤のみに頼らずに生活リズムを調整するためのさまざまな非薬剤的介入が検討されている.
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