特集 看護学を知りたい!―医師のための看護学入門
【医師が知っておきたい看護研究の発展と成果】
褥瘡の研究
永野 みどり
1
1千葉大学大学院看護学研究科看護システム管理学
pp.517
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101956
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褥瘡に関する研究は,この10年で大きく飛躍しました.最近の研究の発展の特徴について3つに分けて簡単に紹介します.
①ハイリスク患者の褥瘡予防に関する研究
高齢者や麻痺のある患者の体の動かし方として,キネステティークや体位を支持するポジショニング1)の研究とその成果が紹介され,基礎教育にも生かされるようになってきています.
また,重症な患者に関する治療の進歩に伴い,浮腫や強い落屑や菲薄で極度に脆弱となった皮膚の褥瘡予防ケア2)が課題となっています.BIPAP(Biphasic positive airway pressure)や塞栓予防のためのストッキングなどに伴う,医原性ともいえる褥瘡への対策も急務の課題です.現場の看護師がケアを工夫して報告し,新たなケアの方法の確立や褥瘡予防を視野に入れた医療器具や治療の検討に貢献しています.
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