焦点 予防看護学研究の進展
褥瘡予防の看護研究
阿曽 洋子
1
,
矢野 祐美子
1
,
宮嶋 正子
2
,
石澤 美保子
3
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻統合保健看護科学分野総合ヘルスプロモーション科学講座
2近大姫路大学看護学部
3公立大学法人和歌山県立医科大学保健看護学部
キーワード:
褥瘡予防
,
車椅子座位
,
微量栄養素
,
バリア機能
,
褥瘡ハイリスク患者ケア加算
Keyword:
褥瘡予防
,
車椅子座位
,
微量栄養素
,
バリア機能
,
褥瘡ハイリスク患者ケア加算
pp.501-512
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100270
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はじめに
過去から現在まで褥瘡発症に対して,看護職者は常に注意を払って褥瘡の好発部位を観察し,その予防につとめている。褥瘡の発症機序やそのケアおよび予防については,日本においては1977年に東京都老人総合研究所と東京都養育院付属病院との共同で,患者のデータをもとにしたエビデンスのある系統的・論理的な『褥瘡─病態とケア』を発刊している。その内容は,褥瘡の背景因子,発生頻度,血清総蛋白と予後との関係,末梢血流量と圧との関係,治療経過の評価法など,現在発表されている内容と同じ見解で,遜色はないものである。しかし看護に関しては,必ずしも十分なエビデンスのもとに述べられたものではなかった。
本稿では,褥瘡予防に関する看護研究についての現状と,褥瘡予防と看護援助との考え方,褥瘡に関する研究例,褥瘡治療にかかる費用について論述し,今後の褥瘡ケアに関する研究の方向性を探究したいと考えている。
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