- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
Case
患者:15歳,男性.主訴:発熱,腹痛.
既往歴:4歳時;虫垂炎(保存的加療),気管支喘息.
現病歴:2週間前より臍周囲に痛みが出現.2日前に近医を受診し,臭化ブチルスコポラミン(ブスコパン®)を処方され,帰宅した.前日夜間に発熱が出現し,腹痛の増強がみられたため,当院救急外来を受診した.臍周囲に圧痛があったが反跳痛はなく,鼓音は著明であった.白血球 9,800/μl,CRP 2.5mg/dl,腹部単純X線写真で腸管ガス,便塊の貯留を認め,腸炎,ブスコパン®による蠕動抑制が原因と考えられた.浣腸を受け,整腸剤と抗菌薬(ホスホマイシン[FOM])を処方され,帰宅した.その後も改善なく,当日朝に当科受診となった.
入院時現症:血圧 108/58mmHg,脈拍 88/分 整,体温 36.9℃,眼瞼結膜貧血なし,眼球結膜黄染なし,心音,呼吸音に異常なし,腸音減弱あり,臍部に圧痛あり,反跳痛あり,下腿浮腫なし.
検査所見:血算;白血球 12,600/μl,白血球分画 好中球 71%,リンパ球 16%,赤血球 5.18×106/μl,ヘモグロビン 15.5g/dl,ヘマトクリット 45.1%,血小板 20.9×104/μl.生化学;TP 7.6g/dl,Alb 4.5g/dl,AST 17IU/l,ALT 15IU/l,LDH 156IU/l,ALP 356IU/l,γ-GTP 15IU/l,T-Bil 1.4mg/dl,BUN 9.2mg/dl,Cre 0.7mg/dl,Na 141mEq/l,K 4.1mEq/l,Cl 103mEq/l,CK 59IU/l,空腹時血糖 84mg/dl,CRP 4.09mg/dl.腹部X線写真:異常所見なし.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.