特集 腹痛診療の達人になる
【各論】
産婦人科疾患で見逃されやすい「腹痛」
安日 一郎
1
1国立病院機構長崎医療センター産婦人科
キーワード:
婦人科的問診
,
妊娠反応
,
経腹エコー
Keyword:
婦人科的問診
,
妊娠反応
,
経腹エコー
pp.172-176
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101867
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Case
右下腹痛で救急外来を受診し,突然ショック状態を呈した子宮外妊娠破裂の一例
患者:20歳,未婚女性.月経周期は30日型で整順,持続5日間.昨夜からジクジクした右下腹痛を認め,痛みのために眠れなかった.今朝から右下腹痛の増強と悪心も出現し,産婦人科のない総合病院の救急外来を受診した.最終月経は4週間前に3日間あり出血量は通常より少なかった.今朝も少量の性器出血を認めた.妊娠は本人が否定した.来院時Hb 10.3g/dl.救急外来担当医は腹部エコーで腹腔内出血を疑いCT検査を準備中に,突然ショック状態となり救命救急センターに緊急搬送された.救命救急センターで直ちに施行した妊娠反応は陽性,経腟エコーで多量の骨盤腔内出血を確認,子宮外妊娠破裂診断で産婦人科医によって緊急開腹術が施行された.開腹時に右卵管妊娠破裂と診断,右卵管切除術を施行した.腹腔内出血は1,200mlで術中に輸血を必要としたが,術後の回復は良好であった.
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