特集 非専門医のための糖尿病診療 最新のエビデンスとともに
【合併症の管理】
糖尿病フットケアで何ができるか?
河野 茂夫
1
1国立病院機構京都医療センターWHO糖尿病協力センター
キーワード:
糖尿病足病変
,
足潰瘍
,
足壊疽
,
フットケア
Keyword:
糖尿病足病変
,
足潰瘍
,
足壊疽
,
フットケア
pp.544-546
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101732
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糖尿病患者の増加,合併症の進行,動脈硬化疾患の併発などを背景に,足潰瘍や壊疽などの糖尿病足病変(diabetic foot, J1)が増加している.糖尿病足病変は一般に難治性で,重症化すると足切断となりやすい.いったん治癒しても再発率が高く,また,生命予後も不良である.欧米では非外傷性足切断の主要な原因となっており,切断リスクは糖尿病患者では非糖尿病患者に比べて15倍にも及ぶ.欧米の研究により,患者と医療関係者へのフットケア教育,定期的なフットチェックとケア,集学的なチーム医療により足切断が49~85%減少することが明らかにされている1).
わが国でも,2008年4月から糖尿病合併症管理料として糖尿病フットケア指導管理料が新設された.この管理料は糖尿病足病変ハイリスク患者(①足潰瘍・足切断既往歴,②閉塞性動脈硬化症,③糖尿病神経障害を有する)を対象としており,足病変発症予防を主な目的としている.ハイリスク患者に対して予防的フットケアの指導や爪や角質の処置などを実施することにより,月1回170点の管理料が算定できることになった.
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