特集 足を診る
―知っておきたい診療テクニック―糖尿病患者の足のケア
河野 茂夫
1
Shigeo Kouno
1
1国立病院機構京都医療センター糖尿病センター
キーワード:
糖尿病足病変
,
フットケア
,
神経障害
,
血流障害
Keyword:
糖尿病足病変
,
フットケア
,
神経障害
,
血流障害
pp.950-955
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101060
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Case
発見が遅れた糖尿病足病変の1例
患者:62歳,男性.
既往歴:60歳;肺炎,61歳;肝膿瘍.
現病歴:約20年の2型糖尿病罹病歴を有し,神経障害,視力障害が進行した独居患者.1週間前より全身倦怠感,38℃前後の発熱があるため,他院救急外来を受診.緊急血液検査でCRP>10.0mg/dl,WBC18,500/μlのため,肝膿瘍などの再発を疑われて超音波,CT検査などを受けるも異常を認めず.入院,精査加療を勧められるも拒否し,帰宅.2日後,39℃まで発熱し,本院受診.靴下を脱がせると,右足全体に及ぶ重症蜂窩織炎を発見.本人は神経障害,視力障害のために病変を知覚せず.
改めてベッドサイドでの基本的な全身チェックの重要性を考えさせられた症例であった.糖尿病足病変(diabetic foot,J1)ではこのような治療開始の遅れが難治性の一因となる.
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