What's your diagnosis?[79]
11年後の逮捕
酒見 英太
1
1洛和会音羽病院総合診療科
pp.497-500
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101721
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
病歴
患者:31歳,女性.
主訴:左顔面の運動麻痺+複視.
現病歴:20歳から左三叉神経痛を患っている以外著患を知らない.スーパーの家電売り場で働いており,なかなか休みがとれない.夫と3歳の長男(2人とも健康)との3人暮らし. 三叉神経痛は故郷のA中央病院で診断され,当初3カ月ほど続いたⅤ3領域の痛みであったが,以後Ⅴ1・Ⅴ2領域も交えてさまざまに,2年に1回ほど約1カ月続く発作が起こり,その都度カルバマゼピン200mg×3回/日を服用して乗り切っている.
4月18日より久しぶりの左三叉神経痛(左目の奥の痛みから始まったが,痛みの中心は受診時にはⅤ3領域中心)をきたし,いつものようにカルバマゼピンとメコバラミン500μg×3回/日を服用していた.以後,痛いながらも普段と変わらず生活していたが,5月26日の起床時,急に左顔面が動かなくなっているのに気付き,同じ頃より複視と左目のぼやけを自覚しだした.遠隔地出身で子どもをみてもらう親戚も近くにおらず,また4月20日以降32歳の同僚がmumpsの疑いで休んでいて忙しく仕事を休めなかったので,つらかったが5月29日(初診日)まで受診できず.頭痛,発熱,発汗,めまい・難聴・耳鳴,味覚障害,鼻症状,皮疹,レイノー症状,脱力,ふらつき,は自覚していない.
既往歴:11歳で虫垂切除.家族歴:特記すべきものなし.嗜好:タバコ・アルコールともやらず.薬剤:カルバマゼピン200mg+メコバラミン500μgを日に3回内服.アレルギー:なし.その他:旅行もしていない.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.