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Case
患者:70歳,女性.
主訴:口渇,多飲多尿,食欲不振,体重減少.
既往歴:6年前に胆石で胆囊摘出術,境界型糖尿病にて近医通院中.
常用薬:トリクロルメチアジド2mg,シルニジピン10mg,ロサルタン100mg.
生活歴:喫煙歴なし,飲酒歴なし.
現病歴:入院1カ月前より,多飲と多尿が出現,さらに便秘気味となり食欲が低下してきた.入院2週間前からは心窩部の違和感も自覚するようになり食欲も低下してきた.また,体重もこの1カ月で6kg減少している.発熱や寝汗などはみられなかった.近医を受診し,上部消化管検査を施行されたがとくに異常は認めなかった.しかし,その際の採血で血糖が400mg/dl以上を認めたため,当院へ紹介受診となった.
入院時身体所見:身長 150cm,体重 46kg,BMI 20.4.血圧 178/80mmHg,心拍数 78/分,呼吸数 20/分,体温 37.3℃,SpO2 99%(室内気).眼瞼・眼球結膜に貧血/黄疸認めず,頸部リンパ節の腫大なし,口腔内乾燥著明,呼吸音は清・左右差なし,心音は整・心雑音なし,腹部は腸雑音亢進/減弱なし・平坦,軟,背部に叩打痛なし,四肢に浮腫はみられない,直腸診にて腫瘤なし・便潜血陰性.
入院時血液検査:血算;WBC 9,300/μl,RBC 364×104/μl,Hb 11.3g/dl,MCV 88fl,Hct 32.0%,Plt 28.8×104/μl.生化学;Na 139mEq/l,K 4.3mEq/l,Cl 109mEq/l,BUN 12mg/dl,Cre 0.6mg/dl,Glc 345mg/dl,AST 14IU/l,ALT 16IU/l,T.Bil 0.5mg/dl,LDH 165IU/l,HbA1c 11.4%,TSH 4.751μU/ml(0.54-4.20),f-T3 2.45pg/ml(2.39-4.06),f-T4 1.13ng/dl(0.71-1.52).血液ガス分析(室内気);pH 7.401,PaCO2 37.8torr,PaO2 123torr,HCO3 23mEq/l.一般尿検査;比重 1.034,pH 6.5,尿糖(4+),尿蛋白(2+),ケトン体(1+),ビリルビン(-),ウロビリノーゲン(±).
その他:尿中Cペプチド 32.6μg/day(29.2-167),抗GAD抗体(陰性),インスリン抗体(陰性),抗IA-2抗体(陰性).
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