特集 医療シミュレーション教育 21世紀の医学教育の潮流
【シミュレーション教育のためのガイダンス】
心肺蘇生のシミュレーション教育―ICLSについて
山畑 佳篤
1
1京都大学医学部附属病院初期診療・救急医学
キーワード:
心停止
,
二次救命処置
,
チーム蘇生
,
シナリオシミュレーション
Keyword:
心停止
,
二次救命処置
,
チーム蘇生
,
シナリオシミュレーション
pp.118-120
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101618
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心肺停止は緊急病態のなかでも最も迅速に対応しなければならないものである.臨床に携わっているかぎり,医療者は誰もが突然の心停止に遭遇する可能性がある.しかし多くの医療者にとって心停止に遭遇する機会はまれであり,日常的な診療現場や従来の医学教育だけでは心停止に対して十分な対応能力を身につけることは難しい.このような医療事情のなかでシミュレーショントレーニングは,蘇生に関して合理的な学習スタイルであるといえよう.
ICLSとはImmediate Cardiac Life Supportの略で,心血管系の緊急病態のなかでも,突然の心停止に対する最初の10分間の処置を中心に構築されており,研修医はもとよりあらゆる医療者が身につけるべきものとして普遍化された内容になっている.一定の認定要件を満たしたコースはICLSコースとして日本救急医学会の認定が得られ,コース受講者は「二次救命処置」実習を修了したものとみなされる(具体的には日本医師会ACLS修了要件や,日本内科学会の認定医受験要件,初期研修医の修了時の学習目標を満たすことになる).
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