小児の処置
腰椎穿刺
岡田 良甫
1
1国立小児病院・神経科
pp.1346-1347
発行日 1974年10月10日
Published Date 1974/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205630
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小児の腰椎穿刺を行う場合は,①診断のため髄液採取を目的とするとき,②治療上排液を必要とするとき,および③治療上薬剤を注入する必要のあるときである.小児では,これらの目的で日常診療に際して腰椎穿刺を行う必要性は決して少ないとはいえず,かつ診断上,髄液圧とくに初圧や髄液の性状はきわめて重要な情報を提供し,さらに決定的診断を下す根拠になる場合も少なくはない.したがって腰椎穿刺の手技に習熟し,技能の練成に心がけねばならない.すなわち,初回の腰椎穿刺の失敗(出血あるいは患児に著しい苦痛を与えるなど)は,時には診断に誤謬を招き,あるいは患児の協力を失墜することより悪循環を生じて不利な悪条件をくりかえすこともあるので,初回の腰椎穿刺はとくに慎重を期し,再度のやり直しはきかないという前提で処置に望む心構えが大切である.
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