特集 真夜中の総合診療
【真夜中に遭遇する問題】
シフト勤務,夜間労働者の健康管理
広瀬 俊雄
1
,
多田 由美子
1
1仙台錦町診療所・産業医学センター
キーワード:
高血圧
,
24時間型検査(ABPM,HolterECG)
,
生活犠牲
,
労働安全衛生法
Keyword:
高血圧
,
24時間型検査(ABPM,HolterECG)
,
生活犠牲
,
労働安全衛生法
pp.846-849
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101527
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Case
患者:44歳,女性.
生活歴:某惣菜工場日勤にて各種惣菜の製造,加工に従事,1990年3月より新たに始まった午前3時から7時までのシフトに移行した.作業内容は同じである.
現病歴:深夜就業前健診時の血圧が116/66 mmHg,診察および検査成績に異常なし.3カ月目健診時血圧が130/90 mmHgに上昇.1年後の定期夜勤者健診時血圧は150/110mmHg,同時に施行した24時間血圧記録(以下ABPM)での1日平均値でも153.3±22.6/97.6±19.5であった(図1a).
治療:直ちに「一時日勤」の措置と生活改善指導(午後の犬の散歩,夕方の買い物を中止して仮眠に当ててもらった)を産業医(J1)から指示し,同時に近医に紹介し,降圧剤投与により3カ月後のABPMでは,1日平均値で129±14.2/96±10.8mmHgとなり,収縮期圧が明らかに改善した(図1b).拡張期圧は引き続き高値が続き,それは1年後にほぼ正常化した.自己都合退職まで数年は何事もなく夜勤を継続できた.
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