特集 変貌する感染症
知っておきたい輸入感染症―マラリア,デング熱など
前田 卓哉
1
,
小田原 隆
2
1東京大学医科学研究所感染症国際研究センター
2東京大学医科学研究所付属病院感染免疫内科
キーワード:
発熱
,
血小板減少
,
輸入感染症
,
予防内服
Keyword:
発熱
,
血小板減少
,
輸入感染症
,
予防内服
pp.564-567
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101458
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Case
患者:44歳,女性.
現病歴:6月22日より7月4日までガーナ滞在.7月11日より発熱および悪寒が出現.以後発熱が持続するため,13日に当院を受診した.
現症:体温40.1℃,下肢に多数の虫刺痕あり.肝脾腫は認めず.貧血および黄疸なし.WBC 2,720/μl(Neu 78.5%),Hb 14.6g/dl,Plt 6.2×104/μl,LDH 720IU/l,CRP 4.65mg/dl,PT 53%,マラリア迅速抗原検査(OptiMAL(R))にて熱帯熱マラリア陽性,末梢血薄層塗抹標本にて熱帯熱マラリア原虫陽性(感染率0.17%).
治療:心電図異常のないことを確認し,塩酸メフロキン1,100 mg/日を2回に分けて内服投与した.その後,血小板減少および凝固異常は原虫の消失とともに速やかに改善した.
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