特集 家庭医のためのメンズ・ヘルス読本
【メンズ・ヘルスのトピックス】
男性型脱毛症の治療
大山 学
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
pp.156-157
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101351
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はたして男性型脱毛症が真の意味での「疾患」であるかどうかは疑問であるが,患者の外観を左右し,精神的ストレスを与える状態であることは間違いがない.軽症例を含めると日本人男性の実に約3割がこの状態にあるとされる.連日テレビで目にするコマーシャルからわかるように,治療へのニーズは高く,有効性が科学的に証明されているものから,はたして本当に効果があるのかと首を傾げたくなるものまで,実に多岐にわたる治療薬が使われてきた.しかし,ミノキシジル(リアップ(R))を代表とする新世代の外用治療薬,さらには経口男性型脱毛症治療薬であるフィナステリド(プロペシア(R))の登場とともにその治療は新しい局面を迎えている.とくに後者の治療効果は良好でありマスコミなどでも話題となっている.一見男性型脱毛症の脱毛パターンを呈しても,他の原因に起因する脱毛であることもあり,とくにフィナステリドはできるだけ皮膚科専門医の診断のもと処方されることが望ましいが,ジェネラリストが治療の相談を受ける機会も多いと考えられる.ここに男性型脱毛症治療の最近のトピックスをまとめたい.
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