総合外来
腹痛患者で下肢も診る理由―プライマリ・ケア医が診断をつけるために
三原 弘
1,2
1富山大学医学部医学研究科 生命・臨床医学専攻
2富山大学附属病院第三内科
pp.1050-1052
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101305
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
◆腹痛を主訴にプライマリ・ケア医を受診する患者さんは多い.本稿では,初診時には誤診しやすい,ある腹痛疾患の症例を提示しながら,多くの腹痛患者さんから,下肢も診ることによって疾患を拾い上げるために留意すべきポイントを概説した.
筆者は,6年目の消化器内科医で,卒後1年半の大学病院ローテート研修後,一般病院にて麻酔・救急,一般内科,消化器内科の研修を終え,現在は大学院生兼大学病院勤務中である.前勤務地である高岡市民病院で,下肢も診たことで診断につながった症例を経験したが,5年間に同施設で経験した4症例を検討してみたところ,初診時には診断には至らないことのほうが多いことが判明した.腹痛と下肢で有意な所見が得られる可能性のある疾患群も挙げながら,皆さんと腹痛患者で下肢も診ることの意義を考えてみたい.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.